痩せ姫

『痩せ姫 生きづらさの果てに』という本を読んだ。
作者はエフ=宝泉薫という方。
Twitterのニュースでたぶん見たんだと思う。
ちょっと興味があって、検索してみたらエフさんや女の子達が出てきて、どうやら摂食障害が関係しているもよう...。
細くなりたい、という気持ちの美意識高い感じの人が多いのか...摂食障害は身近にいないから分からんな...と思いながら興味は薄れず本屋に行ったついでに探してみたもののなかなかなく...もう新刊じゃないとは言ってたがどこだよ!?と検索システム使ったら“人文・依存症”。
おぅ、なるほど、これはちょっと想定外だったぜ...。
と思いながらも本棚へ。
精神病理学のとこだった。
“心”について結構興味はあるほうだと思うので、なかなか面白い本棚だったなー。
パニック障害のやつもちょっと迷ったけど今回は痩せ姫だけにした。
自閉症のやつもまだ読んでないし。
パニック障害はつよっさんで存在は知ってたけど、当時中学生ぐらい...たぶん、の自分はそこまで興味がなくて、よく分かってなかったことを今回知った。怖くなるんだね、それも尋常じゃない怖さ。今もあの人がロケでお化け屋敷に入らないのも、ジェットコースター乗らないのも、ラフティングやらないのも、仕事をちゃんと続行させる為の選択だったということに気づいた。目からウロコ感。だから光一さんはやるのだよ。ラフティングも嫌だけど、自分は出来るからやる。あの人はその当時、パニック障害やらちゃんといろいろ自分なりに調べていると言っていた。つよっさんと付き合っていく覚悟をちゃんとしているのだよ。あーやっぱりそのうち、あの本買おう...脱線長くなった)

電車の中で読みはじめたんだけど、なんか心が痛くて顔が歪む、不細工になる...と思ってお家まで我慢。

読んで、心痛くなって、お菓子取りにさ迷って、食べて、また読む。
最後の方は泣いてたわ。
涙腺は弱いんですけどね、心が揺れたらすぐ泣いちゃう。
(公共の場では我慢しまする)

んーなんだろね、人間が育っていく上で大事なのはやっぱり愛情だとひしひしと思った。
ずっとそう思っているのだけど...無償の愛が大事なんだよね。
自分を肯定してくれるもの。
自分がこの世界に存在して良いかなんて、たぶん考える人は少ないと思うのだけど...それは、愛されて育ってきたからだと思う。
過去にそういう満たされた時期があった、もしくは現在進行形である。
一番の理想は両親からその無償の愛情をもらえること。甘いだけでなく、そこにちゃんとした厳しさが加わると躾になると思っている。
厳しさ...教え?的な?言葉にするのは難しい...自分とその他のものを大切にすること、かな。

無償の愛から得られるものは、自己肯定の根本ではないかと思う。
自分を好きでいられるための、最初の種みたいなもの。
もし、両親から得られなくても、おじーちゃん、おばーちゃんや、親戚、もっと他人でもいいと思うけど...身内から遠くなるほど濃度は少なくなる気もする。接する時間の問題もあると思うけど。
愛情が足りてない、と表現をしたり私はするのだけど...やっぱりなんかどこか人間を信頼してない感を感じるのだよね。でも寂しくも思っているんだろうなぁーとも感じる。
友達に小さい頃、愛情足りてなかったんだなーと思う子もいるけど、今は楽しそうにやってる。
泣けなかった子が彼氏と泣きながら大喧嘩したっていうのを聞いた時はもうほんとに嬉しかった。ちゃんと仲直りもしてるし、傍から聞いたらバカバカしい原因だったし(笑)
友達は摂食障害はなかったけど、自傷はあった。
びっくりして引いたし、なに馬鹿なことやってんの!?と思ったけど、嫌いにはならなかった。
もうとりあえずやめなさい!女の子なんだから!柔肌に!!!と剃刀取り上げたりしてた(反動でめっちゃ切るようになったらどうしよう...とか思ったけどなんとかなった)
懐かしい思い出だ...もう嫌だけど。
ほんとに幸せに生きてほしいと思っているのだよ。
彼女も素敵なレディーになった。
お母さんの話も普通にするし、帰省して彼氏の話もした、と言ってた。嬉しかったなー。
私よりリア充で正直羨ましい(笑)

...なんかまた脱線した。


なんだっけ、んー。まぁ、いいや。
最近の日本のダメな所を考えているのだけど、大人になりたくないっていうのが、大問題なんじゃないかなーと。
成長していくのが生物としては当然なわけで(私も老いは嫌だが...)それが嫌になるっていうのはやっぱり狂ってきたのかなーなんて。
自分自身は年齢はすっかり大人だけど、大人にはなり切れてないと思う。
でも、周りに素敵な大人がいるから、大人になりたくないとは思わない。
寧ろ、素敵な大人になりたい。
世の中めんどくさいけど、嫌いじゃない。
素敵でキラキラしたことも沢山あるし、好きな人も沢山いる。
1人が好きだけど、さみしいとも思うし、友達もちゃんといる(少ない自覚はある 笑)。
運命の人を探しすぎて伴侶はいないが...そのうち結婚して遺伝子を繋いでいきたいとも思っている。
仕事してると女はめんどくさいなーと思うけど、女で良かったなと思うこともあるし、女だから仕方ないな!とも思う。
これはたぶん、素敵な大人に、周りの人に、女の子ことして愛情を注いでもらったおかげだと思う。
感謝している。
親の愛情の注ぎ方もあるだろうし、ヲタクな自分は『papa told me』という漫画を小学生から読んでいるのと、KinKi Kidsが好きだというのが、この意識をつくっているのだと思う。

人にはいろんな考え、状況があるのだよ、と私は漫画から学んだ。
現実世界だけではたぶん、そこまでの想像力はつかなかったと思う。
つらさ、悲しさには人それぞれの容量がある。
常識、当たり前、は多数の意見。

相手には相手の考えがある、というのに凄く救われている。
自分はこう思っても、相手はそうでないかもしれない。
正義は立場によって変わる、とか。
自分の大事なものは他人にとってはどうでもいいもので、その逆もある。

社会の中で生きていくには、自分だけでは生きていけないから、どう上手く折り合いをつけるのか、グレーゾーンをどうするのか。
表と裏、白と黒は必ずある、でもそれだけでは共存は出来ないのだ、と思っている。
まぁ、自我があるのでね、難しいとこもあるけどさ。

なんてことを日頃から考えながら生きているので、今回の痩せ姫にてまた新しい引き出しが増えた感じ。
今後、こういう方々に出会ったとしたら、私の心に受け止める容量は出来ていると思う。
びっくりするけどね、きっと。
私の好みはもうちょっと肉がある方がいい!って言うけどね(笑)
その子の心が、元気でいられる折り合いを見つけていこうと考えると思う。


しかしまぁ、ほんと人間って複雑で難しい生き物だなー。
そこが面白いんだろうけどさ。

 

あ!あと本文中に尾崎が出てきてびっくりした。

大好きなんだけど...あの人にこそ幸せに生きてほしかった...と思いながら息子の裕哉くんを見守ろうと思っている。