陰陽師

陰陽師…結構期待していただけに…。

でも、でも!染五郎さんの晴明と光一さんの博雅は良かったと思う。
あのちまっとしてるけど可愛らしい博雅はありだろう。
顔の品がいいのにズンズン歩いたり、拗ねたり、ぶーたれたりしてるの良い。
ただ、晴明に当たりすぎかなー。嫉妬は多少しても、あんな八つ当たりみたいなの、博雅はきっとしない。

晴明と青音が手を取り合ってるのを見たら
「!?!?…お、お邪魔した!」
と慌てて逃げて、それを晴明がアワアワと追いかける。
追いかけて来た晴明に
「やはりお前も青音が…」
と暗い顔で問い掛ける。
「違う。私は青音殿の忘れた物を届けに来たのだ」
「ではあの手はなんだ…」
わなわなとする博雅。
「博雅…私がそなたの邪魔をすると思うのか?」
黙る博雅。
チラリ、と晴明を見上げる。
にこり、とする晴明。
「…わからぬ」
むぅ、と拗ねる。
(晴明はそんなことをしないと思いたいがこいつは私をからかって遊ぶし、なにより青音殿はとても魅力的で…うんたらかんたら心の中は悩んでいる)

「友の邪魔はせぬ」
念を押す晴明。
「う、む…」
なんとも言えない顔で頷き、くるり、と背を向ける。
「すまぬ…無礼なことをした…」
声を絞り出しながらそう言ってシュン、とする博雅。
ふふん、と微笑む晴明。
「お前はよい漢だな」

「からかうな晴明!私は自分が情けないのだ」

「だからよい漢だと申しておる」

またからかう!とぷりぷりする博雅。
微笑む晴明。
二人で出口の方へ橋を渡る。

「お前はまた従者も付けずに、しかも徒歩で来たのか?」
呆れ顔の晴明。
「外に牛車を待たせておる…青音殿とふたりきりが良かったのだ…」
「ふふふ、そうか。それなら私は邪魔をしたな」
また笑う晴明にぷりぷりしながら歩く博雅。

が、私の中では理想的な晴明と博雅だった。
あんな、あんな、怒る博雅はない。ないない。
恋は盲目と言えど、博雅だし、しかも嫉妬の相手は晴明だし。ないわー。


もう1つ、藤原の人達が殺されたやつ。
橋の上で、保忠と晴明に怒る博雅。
これもない!ない!ない!
あんな上から目線の博雅はない。
「なんの為の陰陽寮か!」
おぉーい!!!おぉーい!!!

「なにが起こっておるのだ、こんな不幸や災いばかり続いては…」
てな感じじゃなかろうか。
どうにか出来ないのか、晴明…的な助けを求めるとこでしょ、ここは。
しかもまた1人、しかも徒歩…ないわ。
お共はどうした博雅…。

襲われた時の立ち回りは素晴らしかった!
武家の子!闘える子!!!とテンション上がった。
かっこよかったと思う、ここ!
ほとんど出てこないけど、闘う博雅。
でも妖を見たり、晴明に危機がくれば太刀にすぐ手を伸ばす印象はあるから、ちゃんと闘える子なんだと思う。
雅楽ばかりしてるけど、音楽に愛されてる人だけど、ちゃんと武家の、源氏の人。

あとー…道満…。
なぜにいつもなんかあんな悪者なのかね。
都の為は思ってないけど、そんな悪い人じゃないんだけどなー、と不満。

青音…青音はもうちょい妖艶な感じの方が良かったかな…人ではないのだし…。
青白い感じの、涼やかな目元の…みたいな。
誰がいい!とは思い浮かばないが…。

いやもーなんか、陰陽師の原作はほぼほぼ短編だから、2時間とかのネタじゃないのよね、正直。
ほんとTwitterとかで呟いてた人がいたけど、都滅亡とか別にそんな壮大なスケールじゃなくていいのだよね。
1時間ぐらいで、博雅と晴明がお酒飲みながら、都の中で起こった事件の話して、実はこの後出向くと言ってある、ゆくか?ゆこう、ゆこう。が見たいわけ。
桜はらはら散ってるのを見ながら切なくなった博雅にお前それは呪の話だよ、という晴明に、呪の話はいらん!と言う博雅が見たいのだよ。
博雅の笛に癒されてる晴明とか、式神にからかわれる博雅とか、鬼にも愛される博雅の笛とか、博雅に弾いて欲しくい玄象とか、ほのぼの陰陽師みたい。
人とはかなしく、いとおしいものだなぁ…とか言いながらお酒をのむ2人が見たいのだよ。

よいキャスティングだと思うのだよ。
もったいない、まじで。
原作ファンは長らく原作寄りな陰陽師を求めているのです。
もうほんと、連ドラで、原作のおもしろいやつ網羅で次回お願いしたい。

野村萬斎さんはほんとに晴明だったけど、萬斎さんがやると博雅は伊藤英明さんになっちゃうから、もうイメージが。
だから、今回の染五郎さんと光一さんの晴明と博雅で、ほのぼの陰陽師の道を歩んで頂きたい。

最初の、笛を吹く博雅に蝶でいたずらをする晴明、あーいうのを求めている!
あれはかなり良かったと思う。
あれでキタ━━ヽ(´ω`)ノ゙━━!!と思ったから、より落胆したのかな…。